【解決】アブラボウズは食べても大丈夫!深海モンスターの食べ方・釣り方

【解決】アブラボウズは食べても大丈夫!深海モンスターの食べ方・釣り方

Last Updated on 2023年8月18日 by ミンコタ

こんにちは、ミンコタです。

釣りや魚に携わること30年以上。生物学を履行し卒業しています。



釣りでも人気がアップしているアブラボウズ。


別名オシツケ(毒見の隠語)。


釣り上げて食べた釣り人が、信じられないくらい美味しかったというウワサが近年広まっています。



大手回転寿司でも2021年にアブラボウズをフェアの一品にしています。


そんな人気の魚ですが

お尻から脂が出る とも言われたり、


毒見が必要だった魚だからオシツケと呼ばれるようになった とのこと。。。


この記事ではその真偽を学術的見解やWEBサイトの検索結果をまとめ、疑問に答えていきます。


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ライター紹介

・本記事の執筆者:ミンコタ
・Twitterフォロワー:5000
@minnkota_style
・今まで釣りあげた魚種:100種以上
・釣り歴:30年
・2級船舶免許

写真:名古屋水族館さまよりhttps://nagoyaaqua.jp/news/news/3855/

目次

アブラボウズという深海巨大魚


アブラボウズ 刺身


カジカの仲間で水深300mから1000mの岩場を生息域としている肉食魚。意外と群れで生活しており貝や軟体動物を食べています。

大きさは最大で2メートル100kgと人より大きく成長し、30年ほど生きる長寿魚。

冷水を好む魚のため、和歌山以北の深海が主な漁場。日本に限らず世界中で生息が確認されています。


深海延縄などで捕獲され、神奈川県小田原市では人気の魚の1つ


一般的に魚屋に切り身で販売されています。


地元では「オシツケ」と呼ばれる豚の角煮のように甘い煮つけにしてご飯のおかずにする料理法も有名です。


※オシツケ:城内の毒見役がオシツケあった諸説がある。昔からこの魚を食べて良いのかわからなかったんですね。


顔はカンパチ、色はハタやアラのような模様をしており、深海のモンスターと呼ばれ釣り人の好ターゲットとなっています。


アブラボウズは漢字で油坊主・脂坊主。関東ではクロ・クロウオ、東北ではオキネウ、北海道ではアブラコとも呼ばれています。

お腹を壊すって本当?

結論から言うと



本当です。



アブラボウズは深海で生きるために身体の40~50%をトリグリセリドという中性脂肪で構成しています。

これは人に存在する不飽和脂肪酸の一種ですので安全であり、食品衛生法などで販売禁止ではありません。


厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル:魚類:異常脂質

https://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/animal_det_08.html


お腹を壊す理由としては食べすぎてしまうと中性脂肪を消化しきれないために下痢になったり、 あるいは濃厚すぎて気分が悪くなるといった症状がでてしまいます。


特に脂肪分解酵素が少ない方(濃いめの豚骨ラーメンを食べて翌日下痢をする)は刺身1枚程度に抑えておいた方がよいでしょう。


販売実績としてはこちらです。

実際に回転寿司の大手チェーン「スシロー」では、とろとろ祭と題して一部の地域で アブラボウズが出回っているほど割とポピュラーな魚だったりします。

https://www.ssnp.co.jp/news/foodservice/2021/03/2021-0302-1535-14.html


「お尻から脂が出る」とは少し過剰表現なのかな、と感じますが、アブラボウズが「オシツケ」と呼ばれる所以は、上記のような症状が出ていたことが推測されます。


ちなみに同じ深海魚でアブラソコムツ・バラムツがいますがこちらは日本では流通禁止の魚となっています(脂がワックスエステルといって人間が分解できない脂を含むため)。

お味は?食感は?お値段?


アブラボウズ 値段


写真:豊洲市場さまよりhttp://www.toyosu-market.or.jp/2020/06/08/1253/

アブラボウズ刺は白身の大トロですので脂の甘味と濃厚な味わいが特徴です。

刺身の色はサシが強めの霜降り、鰆のハラミに近いイメージです。

当然、醤油につけると弾きます。


ギンダラの仲間でもあるので味は脂だけでなく白身魚特有の上品な味わいがあり


赤身のマグロトロとはまた違った大トロ


食感はとろける、、、 というよりは少し歯ごたえが残る程度



寒ブリの大トロに近い



確かに美味しい!



そして、アブラボウズの名前のごとく刺身3切れほどでお腹にドスンときます。

身が柔らかいのは深海の水圧から身を守っているため。

大きさの割に骨も柔らかく普通の包丁でも解体が可能です。

手に入る地域がある!

神奈川小田原市ではかなりポピュラーな魚であるため、港近くの小売店を見てみるのが一番早いかもしれません。

三陸各地でも切り身のパック売りがあるとのこと。


また、小田原 駅の売店では「あぶらぼうず伝説」と呼ばれる駅弁も販売中。
(駅弁になった深海魚、巨大魚ってなかなかいない)


ちなみにお値段は卸売り市場でキロ2,000円、20kg級が多いので4万円。
(大量にとれるわけではない、水揚げ数が安定していないのであくまで参考価格)


楽天やふるさと納税で調べると500gが4,000円。グラム800~1,000円と国産和牛並みに高い値段で販売されています。深海の味は意外と身近です。


アブラボウズ 駅弁

釣り方

餌釣りでは実績が高く、専門で20年出ている遊漁船もあります。

水深が深いため、重りが着底するまで10分かかるのと事。1日に10回落とせるかどうかの過酷な釣りになります。

しかし釣れればデカイ夢のターゲットです。

季節としては冬が中心になります。


理由として


・太平洋側では冬になると潮が緩くなり釣りやすいこと


・産卵が1~3月で比較的浅場(それでも水深500~700m)に上がって釣りやすくなること



仕掛けは

ラインを1500メーター巻いたランドセルのようなリールに、ガチガチのロッド。

これに鉄筋2kgをつけてスルメイカやサンマの切り身をチョンがけしていきます。


近年ではルアーでの実績も出ており、ジグの重さはなんと900g!

これを手巻きでと考えると、、、もう気合しかないですね。

何度も言いますが、釣れれば30~40kg!まさしく夢のターゲットです。

おススメの料理方法

刺身も良いですが、火を通した方が脂を活かしながらも適度に落とせるためおすすめです。

ちなみにアブラボウズ料理では歴史のある小田原市が代表するのは甘辛煮付け。

ソウルフード的なものにもなっており、地場おすすめの一品です。

こってりしているため、この1品でご飯3杯はいけます!

さらに脂を堪能したい方は鍋にして食べる方もいるそうです。

まとめ

いかがだったでしょうか。

アブラボウズは確かに人体に影響があります。

ですが食品衛生法として禁止しているわけではなく、あまりにも脂が濃厚であるため食べすぎに注意することで白身魚の大トロを味わうことができます。

神奈川県小田原市では沖でとれることから比較的ポピュラーな魚で、漁港の近くでは飲食店のメニューにあったり、近くの小売店ではパックの切り身がおいてあることもあります。

ただ、深海魚であるため、安定してとれるわけではなく数が安定しないため卸値もまちまちになりますがキロ2000円で取引されることが多いそうです。

2022年現在でも「オシツケ」という過激なネーミングで販売されているアブラボウズを 一度食してみてはいかがでしょうか。

きっと新たな発見があるはずです、それではまた。


他にも、Minnkota Fishing Styleでは、釣りに関連する様々な経験談をご紹介しています。

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