
【解決】日本近海で見つかる深海魚 メガマウスとは?知りたい地震の関係
Last Updated on 2022年10月20日 by ミンコタ
こんにちは、ミンコタです。
釣りや魚に携わること30年以上。大学でも生物学を履行し卒業しています。
とてつもない大きな口、太古からの体形そのままの姿、重さ1トンの巨体、
目撃例は度々ニュースになるメガマウス、そして深海魚たち、
いったいどんな魚なの?
地震の発生と関連があるの?
なぜ、話題になるの?
学術的な調査やWEB情報を調べましたので、検索結果をまとめています。
※画像:アサヒデジタル様https://www.asahi.com/articles/photo/AS20170523005036.html
ライター紹介
目次
メガマウスの別名
2021年6月に千葉県館山市で撮影されたメガマウス(FNNプライムオンラインより)
日本での正式名はメガマウスザメでありメガマウスは俗称になります。
メガはギリシャ語で巨大、マウスは英語で口、ザメは日本語と実は3か国の呼び名が混じっています。
英語圏ではMegamouth shark
そのほか「大口鮫」と呼び、稀に漁師さんの網にかかることもあるようです。 (あまりにも大きいため現場で逃がしている)
大きな口が由来で名付けられた鮫ですが、口だけでなく体の大きさも最大7メートルの個体が確認されています。
ジンベイザメ・ウバザメと並ぶ3大巨大サメの一角になります。
また、メガマウスの種類は発見されていないため、仲間の種類は存在せず1科1属1種の生物になります。
住んでいる場所
水深200m前後の中深海が主な生息域とされています。
漁師の網にかかることから夜間はもっと浅い場所で捕食している可能性があることが分かってきました。
リュウグウノツカイが住むとされる1000メートルに比べると浅い場所にいるとされています。
最初の発見は1976年のハワイオアフ島付近水深165メートルで、目撃の8割がアジア圏の温帯地域であることから、太平洋の赤道付近が生息地域とされています。
2016年までに確認された数として
世界で108頭(うち日本で20頭)
と少ないことから幻のサメとも言われてます。
(あくまで研究者立ち合いができた公開されている数になります)。
非公式では今までに100頭くらい定置網にかかっているが網が破れたり、騒動になるのを嫌がって沖でリリースしている情報もある。
メガマウス捕獲一覧を見ると日本では黒潮の影響がある福岡・三重・静岡・神奈川・千葉・東京・茨城で発見され、
定置網・魚市場まであげられたもの、港に迷い込んだものもいますが、いずれも水族館等に生きて展示できたことはありません。
何を食べているの
基本プランクトンになります。
解剖の結果、カタクチイワシや数種類の魚の死骸も確認されましたが、数からしてもプランクトンを飲み込んだ際、一緒に入ってしまったものと考えられています。
口や歯の形状から推測されたものですが、
肉食のサメの歯としては小さく、プランクトン食形と推測されています。
捕食方法としてはジンベイザメのように大きく口を開けて前進しオキアミを吸い込み、エラから海水を出す際、えらの内側にある鰓耙(さいは)にひっかかり、これを飲み込むと考えられています。
こうした推測が多いは、発見数が少なく、研究ができていないことが挙げられます。
幻と言われる所以
有名なシーラカンス同様に、
太古の姿のまま生きている
ことが第一にあげられます。
これは沖縄県で1000万年前の地層から発見された歯の化石と同様であったことや、現在の他のサメと違う点が多いことが理由となっています。
そして捕獲例・研究例が非常に少ない状態です。
水揚げは数年に1度と漁師でも一生に一度、拝めるかどうかの希少魚、当然ながら生きている姿の映像が少ない状況です。
こうしたことから、幻というキャッチコピーが使われているのではないのでしょうか。
お味は??
実際に食べた方の感想として
水っぽい
味は正直あんまり、、、、
ネット上では、こうした感想が散見されます。
上記は実際に1トンのメガマウスが水揚げされたときに付いた値段が物語っています。
食用には不向きのようで、付いた値段は
2万円 (キロ20円)
食用にも経済的にも厳しいものがあるようです。
地震の前兆?関係性とは
日本では江戸時代から深海魚と地震を関連づける習性があります。
諸国里人談という本にはたたり(地震)とリュウグウノツカイを彷彿させる文面が記載されています。
そして、
日本で起こる巨大地震の2~3ヵ月前に深海魚が目撃される例が多いことから
地震が嫌で浅場に逃げてきた
といったウワサが後を絶えません。
この迷信ともいえる現象ですが
特に深海ザメにはロレンチーニ器官と呼ばれるものがあり、深海の暗闇の中、魚の電気を感じて捕食しています、とりわけサメは多くのロレンチーニ器官をもっていて、電気にとても敏感です。
深海の底からの地震の前触れによる電波が多くなると、嫌がって逃げる行動は、ごく自然なことにも感じます。
しかし、
大学の研究者が8種類の深海魚の目撃例と地震について研究された論文には
深海魚の出現と地震の関係性は低いとしています。
簡単に言うと上記の形で検証の結果が発表されていました。
これは、地震が起きた日と深海魚の行動が一致した事例は1つしかなかったためです。
統計 的に見ても少ない状況で、動物の異常行動と自然災害の前触れは一概には科学 的に証明しにくいものとなっています。
※あくまで公式の深海魚発見 データとの比較と追記しておきます。
日本の言い伝えに加えて生態の分かっていない珍しい魚が揃ったため、ひときわ多くのうわさがついて回るのかもしれません。
メガマウスの漂着場所と震源 地
1994年11月29日 福岡県博多湾
→1995年1月17日 阪神淡路大震災
1998年4月23日 三重県鳥阿田和
→1998年5月4日 石垣島南方沖地震
2003年8月7日 静岡県御前崎沖
→2003年9月26日 十勝沖地震
2004年4月8日 静岡県網代沖
→2004年10月23日、新潟県中越沖地震
2005年1月23日 三重県度会郡紀勢町沖
→2005年3月20日 福岡県西方沖地震
2011年1月14日 三重県尾鷲市沖
→2011年3月11日 東日本大震災
2016年4月15日 三重県尾鷲漁港
→2016年4月16日、熊本地震
メガマウス剥製・標本展示の水族館
沖縄県
美ら海水族館
https://churaumi.okinawa/
福岡県
マリンワールド海の中道
https://marine-world.jp/
大阪府
海遊館
https://www.kaiyukan.com/
三重県
鳥羽水族館
https://aquarium.co.jp/
静岡県
沼津深海水族館
https://aquarium.co.jp/
東海大学海洋科学博物館
https://www.umi.muse-tokai.jp/
神奈川県
京急油壷マリンパーク
http://www.aburatsubo.co.jp/
千葉県
鴨川シーワールド
https://www.kamogawa-seaworld.jp/
まとめ
いかがだったでしょうか。
「こんな巨大な生物が海の中を泳いでいる」と想像するだけでも
ロマンがありますよね。
近年はヨコヅナイワシも頻繁に見られるようになりました。
太古からの姿で今を生きているメガマウスは 捕獲例が少なく研究が進められていない幻のサメです。
主にオキアミを主食として、大きな口を目一杯開けて捕食しています。
その姿はジンベイザメに似ており、普段住んでいるとされる水深200メーターから 夜間数十メートまで浮上してきます。
温かい場所を好み、赤道付近から黒潮にのって浮上している可能性が考えられています。
地震との関係性についても、諸説やうわさが多く、一概に証明できるものがないですが、自然界の生き物の異常行動が分かれば大地震の防災につながる可能性があります。
近年の技術も進んでいるため、
深海魚やメガマウスの全貌が明らかになり、幻でなくなる日はそう遠くなく、もしかしたら災害から人を助けてくれるかもしれません。
他にも、Minnkota Fishing Styleでは、釣りに関連する様々な経験談をご紹介しています。
もし、釣りに関してまだ知りたいことがあれば、ぜひ関連する他の記事をご覧ください。