【失敗しない】ベテラン釣り師のジグ選び方・使い方
Last Updated on 2023年8月18日 by ミンコタ
何100本のジグ(Jig)を買ってきた経験から言えることは
安いジグでも選び方次第
ということです。
間違ったジグを買うと「鉛の置物」にしかなりません。
筆者の倉庫には使わないジグが山のようにあります。
2022年以降はオートマチックに動くジグも増えてきました。
潮見表を表示!話題の釣り専用ウオッチ
本記事ではショア・オフショアでのジグの選び方、使い方、
さらにバス・トラウト・シーバス・アジ・青物におけるジグをご紹介いたします。
ライター紹介
目次
ジグの語源
英語ではJigと呼ぶ。
由来としては様々でアイルランド伝統舞踏であるJigという踊りが上下に激しく飛び跳ねるのが上下に踊らせて魚を誘う姿に似ている事から名づけられた、などがある。
他にも機械加工の治具(じぐ)からの派生など諸説は様々。
ジグは金属の塊を意味し、呼び方としてメタルジグやラバージグなどターゲットの魚種によって指すアイテムが異なる。
ジグで釣ることを日本語でジギングと呼び親しまれている。詳しくは記事後半で解説。
ジグを選ぶポイント
ジグは形状によって水の絡み方が異なります。
絡み方というのは主に「沈む姿勢」のことを指します。
釣り用語でいうとフォール姿勢です。
一番大切なのは
行った先のポイントで釣りを成立させること。
ジギングの基本は底どりであるため、ボトムまで落とさなければ釣りは成立しません。
水深が20mと60mではジグの形や重さを変える必要があります。
加えて流れが速いのならば落ちにくいジグは不向きです。
よく「〇〇用」などで販売されていますが、まずはジグが底に着く=ジギングが成立することを優先してジグを選びます。
まずは3つの重心から選ぶ
ジグは重さ偏る部分を中心に落ちていきます。
「沈む動きなんて一緒」
と思いがちですが、明確に異なります。
センターバランス
重心がジグの中心になっているものを指します。
ジグの中心から落ちるため、水平姿勢になりやすく比較的ゆっくりひらひらと落ちていきます。
沈下速度は遅いです。
リアバランス
ジグのおしりに重心があるため、まっすぐ落ちていきます。沈下速度は速いです。
また、ショアからのジギングでは飛距離が欲しい時もリアバランスがおすすめです。
適当に投げてもジグの重心のおかげで姿勢が崩れることなく飛んでいきます。
リアが重いため引くことでお尻を振るため、ただ巻き専用のジグも販売されています。
フロントバランス
ジグの頭に重心があるため、くるくる回って落ちていきます。
センターバランスよりは速いです。
利点としてラインの結び目に重さがあるためジグにアクションを与えやすいのが特徴です。
ジグの頭から落ちるのでアシスト フックに絡まりやすい欠点もあります。
この場合はフックサイズやツインをシングルフックにするなど大きさ、長さ、フックの数を調整することで対応できます。
この3つのバランスを基本として購入基準を決めていきます。
例えば、
・水深が20Mしかなくてゆっくり沈めたいならセンターバランス
・流れの早い海域ではリアバランス
といった具合で、まずはウエイトバランスから組み立てていくとよいでしょう。
2つの形から選ぶ
次に大切なのがシルエット。
繰り返しになりますが、鉛の形によって水絡みが異なります。
鉛の面が広いほど抵抗があり、水にも良く絡みます。
水によく絡むほど抵抗も増します。
つまり、形によってアクションが変わります。
ショートタイプ
最も一般的な形です。
抵抗が少なく、キビキビ動かしたい場合はこのショートを選びます。
ワンピッチ・ハイピッチ・スローピッチなど様々なジャークスタイルに対応できる形です。
最近ではタングステン(tg)という比重の高い鉛のおかげで重くて小型なジグもあり、よりシルエットもベイトに近い形をしています。
ロングタイプ
ショートよりも細く水に絡みにくいため、小さな力で大きな動きを演出できます。
大きなジャークで左右に飛ぶようにスライドさせるアピールが可能です。
疲れにくいという利点もありますが、初心者だとジャークの力の入れ具合でジグが飛びすぎてラインと絡むトラブルが多発します。
また、そのシルエットからブリ、ヒラマサの捕食しているのがタチウオやイカの場合に用いられます。
基本はこの2つで、さらに複数、細分化することができます。
今回は代表的な3つにカテゴリを絞りました。
・左右対称
別名ストレートタイプと呼ばれるジグですが自分のジャークに対して思った通りの動きを演出してくれます。
夏のヤズ・ネリゴ・ハガツオ・サゴシ・イサキ釣りにハイピッチジャークでよく使います。
・左右非対称
片面に重心を置くことで、決まった姿勢でフォールし、またその姿勢を保ってくれます。
オートマチックに食わせの間を演出してくれる設計のため初心者に向いている形です。
ゆっくり目のワンピッチジャークでブリから根魚まで幅広く使えます。
・スロータイプ
紹介した中で最も鉛の面がフラットで広く、水絡みさせるためのジグです。
引き抵抗が重く、フォールスピードが遅くなります。
その分しっかり泳いでくれるため、まるで死にかけた魚がヒラヒラと落ちていく演出が可能です。
ゆっくり落ちていくので魚が食う間を長時間演出してくれます。
マダイやヒラメ、特にハタ系の魚には抜群に効くジグです。
安いジグでも選び方次第
ジグの価格は高いもので1個3,000円。
底どりするのが基本であるため根がかり(ロスト)も多いです。
5本買ったら15,000円と少し高い買い物になります。
しかし、安いジグでも重心と形が似ているのであれば釣れるジグ・メーカー品に近い形、動きをしてくれるため、人気のジグをお得に買うことができます。
しかしながら、ほとんどのジグはマニュファクチャ(工業制手工業)により作られてるため、製品によっては
・異様に曲がっている
・アイ(糸を結ぶ部分)の部分まで鉛がついている。
・重くなるべきバランスが異なった個所に偏っている
これは目視によりチェックできるので、注意して見て正しいものを購入する方法があります。
安いジグを買うときは釣具やさんで上記を見て購入した方がよいかと思います。
喰う間
この記事の中で最も重要かもしれません。
実は、魚が食う条件として
まず「食う間があること」が重要です。
ガンガン逃げるベイトはフィッシュイーターにとって、狙いを定めにくいため食べることができません。
ジギングでガンガンジャークしている間でも一瞬糸ふけが出ます。
その瞬間が大切で、ジグは一瞬止まっていて魚が狙えるタイミングになります。
その間を長くとるか、短くとるかを試行錯誤するのがジギングで、それに合ったジグだと、比較的簡単に魚が釣れたりします。
喰う間を言語化すると
・一瞬止まる
・ひらひらゆっくり落ちる
・瞬間的に落ちる
・不規則に落ちる
これはターゲットの遊泳力であったり、魚の活性であったり、その時のベイトによって異なります。
狙った間に喰わせることができればジギングの楽しさがより一層味わえるでしょう。
ジグとしては
ひらひら系(スロー)と瞬間系(リア)の2パターン持っていると、あとはジャーク中の間の取り方で、多くの状況で対応できます。
重さの考え方
よく迷うのがジグの重さです。
サイト上で検索した時に散見されるのは
10mで20g
の考え方です。
他の釣りでは1mで1gですが、特に海は潮の流れがあり、決してまっすぐ落ちることはありません。
10mで10gの重さで買ってしまうと2~3倍以上のラインが出て着底する形になり、ジャークしずらい状況になってしまいます(他の釣り人に迷惑になることも)。
しかし筆者の場合は
水深×3×10g
になります。
水深40mであれば40m×3×10gで120gです。
これは筆者の海域は海峡が多く、流れが強いためです。
メインは120gを用意していますが、大潮の場合は150gを使わないと底が取れないときもあります。
逆に長潮などでは100gで底が取れます。
ショア・オフショアに限らず、初心者の方は水深の3倍の重さのジグを買えば、まず底をとることは可能だと思います。
ベストなジグの重さ
最初に「ジギングでは底どり」が大切なことをお伝えしましたが、重ければOKではありません。
所詮は鉛の塊であり、鉛を魚に喰わせるためには以下を行うと釣れ方も変わってきます。
鉛をベイトライクに見せるためには水によく絡ませることが大事です。
重すぎるジグは、水中では鉛が上下しているだけの人工物にしか見えません。
ベストなジグの重さは
いかに軽量で底どりができる重さを選ぶかが重要になってきます。
軽ければ軽いほど、水に漂うことができ、よりナチュラルに滑らかな動きを演出することができます。
筆者も潮どまり付近では100gから60gまで落とします。
これは明らかに食い方が異なる経験をしたからです。
タイラバでもアジングでも同様です。潮が緩んだな、と感じたのならば直ぐ変えるべきです。
※より水絡みさせるために
ジグとライン(リーダー)に接続は直結せず、必ずスプリットリングやOリングを使用します。
ラインはリールをフリーにしていても、思っている以上にジグに抵抗を与えています。
このリングのおかげでジグが水中で自由に動き、ジグ本来のポテンシャルを発揮できます。
(フックもOリングに結ぶことで魚の口に吸い込まれやすくなる。 ショックを吸収してくれる。ジグ交換が便利などメリットが多い)
逆に言えばジグ直結は、デメリットしかありません。
ジグを使うシーン
ここではジグのメリットをお伝えしていきます。
エギングのお供に
エギングで潮待ちの間に5~15gのジグを投げるとカサゴやハタが釣れます。
いわゆるライトショアジギングです。
またカマスやサゴシのナブラにも対応できるためお土産のバリエーションが増えます。
筆者はスナップにより仕掛けをワンタッチでエギと交換して、pe 0.8 号、リーダー 2.5 号で狙うことができます。
※スイベル等を付けるとラインが回転せず痛まない。
アジングでの遠投に
ベイトが小魚の場合はジグへの反応が良いことがあります。
また群れが沖にいる場合はジグ単では届かないためアジングロッドで投げれるようなマイクロジグの出番です。
実はジグは初心者にとってジグヘッドより底どりが簡単であるため釣果を伸ばすアイテムでもあります。
メバル釣り含めこんなのを使っています。
タイラバのフグ回避に
フグやサゴシがいるとタイラバのラバーやスカートをかみ切られて、頻繁に交換しなければなりません。
最近ではタイジグと呼ばれるジグが販売されており、上記の悩みともおさらば。
状況に応じれるようタックルボックスに1つおいておきます。
サーフでの遠投に
ヒラメ釣りにリアウエイトのジグを用意している方は多いのではないでしょうか。
向かい風でも飛んでくれるジグは、強風中のキャストでも対応できる頼もしい相棒です。
ミノーやバイブレーションなどプラグで対応できないエリアも攻略できます。
筆者も遠くでナブラが沸いているチャンスを得ることができました。
荒磯のヒラスズキでも同様でジグというアイテムが1つあるだけで助けられる時があります。
魚種別のジグの呼び名
ブラックバス
ジグヘッドにラバーやブラシをつけたラバージグ
トラウト
ジグヘッドに鳥の羽やウサギの体毛をつけたフェザージグ
アジ
ジグヘッドにワームをつけて釣ることをジグ単体と呼びます。
シーバス・青物( カンパチ・ブリ・ヒラマサ )
今回紹介したジグです。メタルジグとも呼びます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
オフショアジギングやショアジギングでも基本は一緒です。
ジグで重要なのは行った先のポイントで釣りを成立させること。
まずは3つのウエイトバランスから組み立てていくとよいでしょう。
初めてのジグを選ぶならセンターとリアがあると十分です。
特に近年のリアバランスはオートマチックにウオブリングして魚を誘うため操作が楽です。
次に形です。対象魚や自分のジャークスタイルはショートとロングどちらにメリットがあるのか事前に考えることが重要です。
入門としてはショートがよいです。
欲を言えば釣り場の情報を得て色を揃えておくローテーションもできます。
フラッシングの効果が大切なジグですので、ボディ カラーは基本的に鱗を彷彿させる定番のシルバー。イワシやブルー、ピンクがあるとよいでしょう。
濁りでアピール力の高いゴールドやグローなども良いです。
真鯛は赤金や緑金(グリーンゴールド)が人気のカラーです。
ジギングは魚に喰う間を与えることが重要です。
オートマチックに食う間を与えるセンターバランスや左右非対称のジグ(jig)は初心者におすすめです。
重さは潮の流れを考えて水深の3倍あるとよいでしょう。
ジグが重くなるほど、ロッドの強度やノットの結び方など工夫して強くすることで高切れを防ぎます。
ただできる限り軽いジグの方が自然な動きを演出できるため釣れやすいです。
ジギングはルアーと違って鉛を操るイメージの釣りです。
アングラーにとってわからないことが多いですが実は利点の多い疑似餌です。
ターゲットの幅広い魚種を狙えますし、幅広い深さを探ることができます。
強烈なフラッシング効果。
キャスティングでもバーティカルでも使え、ジャクリ次第で如何様にでも動かすことができます。
ジギングタックルというゴツイ釣り具を用意し、スピニングリールでガンガン巻くだけではなく、ライトなタックルでスローに行うのもジギングです。
さらにゆっくりのシャクリで動くジグも販売されていますので体力に自信がない人でも挑戦、楽しむことができます。
アタリもガツンときてヒットしてからの引きも魅力 的なジギング。
ぜひ記事を参考に使えるジグをタックルに入れておき、釣果を伸ばしましょう。
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